親友との出会いと別れ

僕にとって一番の親友といえるのは、高校時代の友人である。彼との関係は親友でありながら戦友でもあったかもしれない。親友であったからこそ良いライバルであり、その為に、あることをきっかけに何年と彼と会う事はなくなった。そして、最後に彼と会ったのは葬儀場だった。写真の中の彼は何年とあっていなかったけれども、僕の知っている彼だった。

高校時代、僕らはいわゆる普通の高校生生活を送っていた。学校を一緒にサボったりしては先生に怒られ、だからといって不良といった訳ではない。高校生のときならばよくある程度の羽目のはずし方をするくらいの2人であった。そんな僕らの共通の趣味が、『傭兵部隊』『20世紀最後の真実』『アメリカよ!あめりかよ!』など落合信彦の一連の書籍を読むことだった。僕らはそこらの高校生より男らしさとか男の友情とか、そういった熱い感情に魅せられていた。そんな感情を持っていても、やはり大学受験に向けてはそれなりに勉強して、お互いにそれなりの大学に入学した。それなりの人生を進んではいるけれども、内に秘めた熱い感情はお互いにまだ抱いていた。しかし、大学4年生を向かえ就職活動の頃から少しずつ2人の関係が変わってきた。

僕は運よくそれなりの企業に就職でき、それなりの社会人生活を送ることが出来たのに対し、彼は就職活動に失敗した。熱い感情・熱情を抱いていた彼にとっては、はたから見れば大袈裟と捉えられるかもしれないが、夢が破れたくらいの大きな衝撃だった。そして、彼は僕にこう言って去っていった。「おたがい、一人前になったら会おうや」。高校時代から彼のことを知っているだけに、彼を止める事はできなかった。彼にとっては僕に対する一種の挑戦状だったのかもしれない。

そしてその後彼とは全く連絡を取らなかった。しかし彼とは一番の親友だと思っていたし、きっと彼もそう思っていたに違いないと確かな自信がある。「一人前になったら会おう」と言う約束は果たされなかった。けれども、今でもこの約束を僕は果たそうと思っている。自分が一人前になる、そしてあの世で待っている彼と何十年か先に、いつしか会う。だからこそ、今の僕は頑張れるのである。辛いことがあってもこの言葉を思い出すと、自然と力が沸いてくるのである。親友の言葉が僕の人生に大きな原動力を与えてくれているのである。

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